【B型肝炎とは?】

B型肝炎とはウイルス性肝炎のひとつで、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することによって発症する肝臓の炎症性疾患です。
ウイルス保有者は日本に100~150万人程度という説がありますが、そのうちのおよそ5%が実際にウイルス肝炎を発症します。
残りの95%は自然治癒することがほとんどです。

【B型肝炎の感染経路は?】


感染経路としては、血液や体液の飛沫を介して感染する非経口感染が主です。

具体的には……

・母子感染(遺伝的な垂直感染)

・性行為

・輸血

・臓器移植

・接触を伴うスポーツ

などが挙げられます。

特に、戦後から昭和末期あたりまで行われていた幼児期の集団予防接種において、注射器の使い回しが行われており、これが原因となりB型肝炎に感染した人は少なくありません。
後年、国の責任が問われることになります。

2012年に「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」という特措法が施行され、裁判上の和解等が成立したB型肝炎患者に対し、政府は法に基づく給付金等を支給することが決まりました。

この給付金に関連して、弁護士事務所等が給付金の受け取りに関して宣伝しているCMが放映されており、目にした方も少なくないことでしょう。

このように、日本で新たに感染することは極端に多くはない疾患ですが、世界レベルで見ると、このB型肝炎を始めとするHBVウイルスの関連疾患で、年間数十万人が亡くなっているという世界保健機関(WHO)の発表もあります。

 

【B型肝炎を発症した後の予後は?治療法はある?】

B型肝炎の診断は、主に血液中のウイルス検査で行われます。詳しくは割愛しますが、HBs抗原・HBs抗体・HBc抗体などの有無を検査測定し診断が可能です。

B型肝炎ウイルスに感染した場合、多くは無症状で経過することが多いものの、そのうち20~30%が急性肝炎を発症し、1~2%が劇症肝炎の症状に至ります。
また、D型肝炎の混合感染が生じることもあります。

治療法については、比較的発症が緩やかな場合、インターフェロン(IFN)、核酸アナログ製剤などを用いた抗ウイルス療法が主です。
あくまでウイルスが原因の疾患ですから、そのウイルスに対して作用するタンパク質(インターフェロン)や薬剤を投与していきます。

劇症化した場合には血しょう交換、人工肝補助療法、生体肝移植などの治療が必要となるケースもあります。

 

【B型肝炎は他のウイルス性肝炎とどう違う?】

他のウイルス性肝炎にはC型肝炎などがありますが、ともに肝がんにつながる疾患であることに変わりはありません。
B型肝炎の他のウイルス性肝炎と比較して最も特徴的な点は、肝硬変の症状を経ずに肝がんの原因となるということです。

例えばC型肝炎から肝がんに至る場合、かならず肝硬変の症状(状態)を経由しますが、B型肝炎は肝硬変の症状を経由せずに肝がんに至る場合があり、その点でリスクが高い疾患と言えるでしょう。

【予防法を含めた、B型肝炎に関するまとめ】

スポンサーリンク

B型肝炎の予防には、その感染経路を遮断することが何より大切です。

個人レベルではワクチン接種が有効です。B型肝炎とその先にある肝がんを予防するために不活化ワクチンを接種します。
2016年には予防接種法に定める「定期接種」に指定され、実行されています。

また既存の感染者との接触という観点においては、主に性行為による接触が考えられるため、コンドームの装着である程度の予防効果が認められます。

B型肝炎自体は劇症化する可能性がそれほど高くない疾患ではありますが、肝がんにつながるといった大きなリスクがあります。

現代の日本ではあまり流行していない疾患ではありますが、近年、日本ではあまり見られなかった「ジェノタイプA」と呼ばれるB型肝炎ウイルス感染が広がっているという報告もあります。

血液製剤や輸血剤の検査といった社会や団体レベルでの予防はもちろん、個人レベルでも知っておかなければならない疾患であることに変わりはありません。