<脂漏性皮膚炎とは?その概要を知る>

脂漏性皮膚炎は、皮膚の上層部に起こる慢性の炎症です。

3ヵ月未満の乳児と、30歳以上の成人に多く発症します。

また、女性よりも男性に多く発症例が見られるのも特徴です。

乳児が発症した場合は成長とともに症状が改善される場合がありますが、成人が発症すると完全治癒までにはかなりの期間を要すると言われています。

 

発症すると、皮膚が赤くなりかゆみをともなう炎症を起こします。

炎症が進むと、表面の皮膚が、白色や黄色、または灰色がかったフケ状にはがれます。

これは、「ターンオーバー」と呼ばれる皮膚の再生サイクルが通常より速くなり、過剰な角質が蓄積してフケのような状態になるためです。

脂漏性皮膚炎の症状がよく現れるのは、頭部、鼻や眉毛のあたり、耳の周辺、胸部、股部、わきの下などです。

これは、皮脂が集まりやすい身体の部位ということでもあります。

 

<脂漏性皮膚炎の具体的な症状は?>

脂漏性皮膚炎の症状として多く見られる、頭部の脂漏性皮膚炎についてその具体的な症状を説明します。

頭部の脂漏性皮膚炎では、頭部のフケが増え、細かい鱗屑(りんせつ)の付着した紅斑が生じます。

特徴として、顔面に発症した脂漏性皮膚炎ではあまりかゆみがないのに対し、頭部の脂漏性皮膚炎はかゆみを伴います。

 

<脂漏性皮膚炎の原因は?>

 

脂漏性皮膚炎の原因は医学的には明らかにされていないのが現状ですが、皮脂分泌機能の異常、マラセチア菌(カビの一種)の影響、遺伝や免疫系統の関与などが考えられています。

ここでは、皮脂分泌機能の異常によるとする学説について解説します。

 

皮脂には本来、皮膚や髪の毛を保護し保湿する働きがあります。

ところが、皮脂の分泌量が多すぎると吹き出物(ニキビ)ができたり、皮脂に含まれる脂肪酸が酸化すると臭い(加齢臭)を発したりします。

 

皮脂分泌機能の異常による脂漏性皮膚炎の場合は、炎症を起こして地肌が赤くなり、かゆみをともないます。

皮膚が荒れてかさつき、細かく剥がれ落ちる状態になることも少なくありません。

実態的には、この皮脂分泌機能が異常な状態であるところに、皮膚の常在菌であるマラセチア菌が関与することによって脂漏性皮膚炎になる場合も少なくありません。マラセチア菌は、誰の皮膚にもいる常在菌の1つで、普段は無害であるものの、皮脂や汗などの分泌物が過剰に増えると、それらの成分をエサにして急激に増殖すると考えられています。

 

<脂漏性皮膚炎の診断と治療はどのように行う?>

 

脂漏性皮膚炎の診断は問診や検診で行うのが基本ですが、シャンプーなどの成分によって発症する場合もあるので、パッチテストを行う場合もあります。

 

治療は皮脂の状態管理を含めてトータルに行われます。

マラセチア菌の過剰な増殖が疑われる場合は、外用の抗真菌薬(塗り薬)が用いられます。

抗真菌薬には、マラセチアの活性をおさえる効果があります。

炎症が進んでいる場合はその対症薬として、ステロイド外用薬も利用されることが多いです。

 

<脂漏性皮膚炎は予防できる?>

 

脂漏性皮膚炎だけをピンポイントで予防するのは難しいかもしれませんが、脂漏性皮膚炎の予防や改善といった意味も含めて、皮脂や皮膚の状態に気を使っていくことは必要です。健康な皮膚の状態を保ち、皮膚のターンオーバーを正常に保つために日常生活において気をつけるべき事項を数点、ご紹介します。

 

・脂っこい食事を減らす

脂質の多い食事を続けていると、皮脂の分泌量が増えるため、結果的にマラセチア菌の増殖を助長することになります。

 

・ビタミンBとCを多く摂取する

ビタミンB群とビタミンCは皮膚の代謝を改善し、ダメージの回復を早める働きをするため、ターンオーバーの正常化に役立ちます。

 

・洗顔に気をつける

肌質に合った刺激の少ない洗顔料を選びましょう。よく泡立て、泡でそっとなでるように顔を洗うことが重要です。強く洗うと皮脂が過剰に流出してしまいます。また、拭く時もタオルを軽く顔に押し当てるようにし、強くこすらないようにしましょう。

 

・洗髪に気をつける

肌質にあったシャンプーを選ぶことは勿論ですが、既に脂漏性皮膚炎の傾向がある場合は、医療用シャンプーを使用するのがベストです。洗う際に頭皮を強くこすったりしないことは勿論ですが、洗い残しがないようにしっかりとすすぐことも重要です。

 

・睡眠をしっかり取る

睡眠不足も皮膚の抵抗力を低下させる要因で、無理のある夜更かしはやめましょう。

 

<脂漏性皮膚炎に関するまとめ>

 

冒頭にも書きましたが、脂漏性皮膚炎は成人が発症するとその治療が長引くと言われています。肌のターンオーバーのサイクルが加齢とともに乱れがちになる点と、皮脂が蓄積しやすくなったり、若い頃の肌のダメージが時を経て顕れてくる場合があるからです。

その予防には日頃から肌のケアをすることはもちろんですが、日常生活の栄養面やタイムサイクルにも気を配ることが重要です。

また、脂漏性皮膚炎は早期の段階で治療を開始すればするほど、症状の重篤化を防ぐことができるため、皮膚に思い当たる異常が少しでも出た場合は、まずは医療機関を受診することをお勧めします。