男性更年期障害の症状について解説!


男性更年期障害とは?女性の更年期障害との違いは?

女性の閉経の時期を挟んだ前後10年ほどを「更年期」と呼んでいます。
女性の更年期障害は、この更年期特有に見られるホルモンバランスの変化による様々な症状が、生活に影響が出るレベルまで強まることを言います。

この女性の更年期障害に対して、男性にも更年期障害と認識されている症状があります。
男性の場合、閉経がなく更年期という表現は正しくありません。

よく言われている男性更年期障害とは、加齢に伴って男性ホルモン(テストステロン)の減少によって生じる様々な症状のことを差します。

正確には、LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)と呼ばれています


男性更年期障害 ≒ LOH症候群 に至る流れとは?

男性更年期障害の最初の症状は、男性ホルモン(テストステロン)が減少することから始まります。
この減少のメカニズムを簡単に解説します。

まず、単純な加齢によってテストステロンは減少します。
おおよそ、20歳頃がテストステロンがもっとも多い時期で、そこから加齢に比例して逓減していくのが普通です。
特に、40代ぐらいからピーク時から大きくテストステロンが減ったことによるホルモンバランスの乱れが顕在化します。

しかし、この加齢によるテストステロンの減少だけでは、男性更年期障害に該当するような症状まで至ることは少ないです。もう一つテストステロンが減少する因子として、心理的ストレスがあります。


テストステロンは大脳の視床下部からの指令によって、主に精巣でつくられます。心理的ストレスを長く受けると、交感神経優位の状態が続き、大脳から「テストステロンをこれ以上つくるな」という指令が出されるのです。

ちょうど加齢によりテストステロンの減少によるホルモンバランスの乱れが生じる時期(40代~)というのは、社会的にも心理的ストレスを受けやすい状況にあることが多いです。
この2つの因子が重なることにより、男性更年期障害の症状を引き起こすのです。

男性更年期障害の具体的な症状とは?

男性更年期障害の具体的な症状は、身体的症状と精神的症状に分類が可能です。

【身体的症状】

・勃起不全(ED)、特に朝の生理的な勃起現象が起きなくなる

・のぼせや多汗

・全身の倦怠感

・頭痛や目眩、耳鳴り

・筋力の低下、またそれに伴う頻尿など

 【精神的症状】

・不眠

・無気力

・イライラ感

・集中力や意欲の低下

・性欲の減退

以上が挙げられます。

これらの症状が出たからと言って、必ずしも男性更年期障害という訳ではなく、他の疾患や病気の影響の可能性も否定はできません。

ただし、テストステロンの低下という因子を考えた場合に、勃起不全(ED)や性欲の減退といった症状は特有のものがあります。これらの症状に加えて、上に挙げた身体的症状や精神的症状を感じている場合は、男性更年期障害(≒LOH症候群)を疑ってみても良いかもしれません。

男性更年期障害の診断と治療はどのように行う?

男性更年期障害の診断は、主に泌尿器科で行われます。
これは、男性更年期障害の主症状として、勃起不全や頻尿といった身体的症状と関係しているということもあります。
勿論、専門の外来もありますので、近くにある場合は受診してみるのも一考です。

診断方法は、問診に加え、AMSスコアを用いた診断が主です。
男性更年期障害を断定する特有の症状というのはありませんので、問診とAMSスコア診断の結果を総合的に判断して診断を下します。
場合によっては、男性ホルモンに関係した血液検査を行うケースもあります。

男性更年期障害の診断された後の治療法としては、漢方薬を用いた投薬治療や、テストステロン補充療法があります。
テストステロンの低下が男性更年期障害の直接の原因であるため、これを改善することによって症状の緩和が可能です。

また、テストステロンを低下させにくい生活習慣を作っていくことが必要で、運動・睡眠・食生活を見直すことが求められます。

特に運動については、筋肉を使うことでテストステロンが増えストレスも緩和されるため、男性更年期障害の予後において重要視されています。

男性更年期障害に関するまとめ

 テストステロンが低下し男性更年期障害の状態にあると、メタボリックシンドローム・心筋梗塞・脳梗塞といった重大疾患(主に生活習慣病を起因とする)のリスクが高まるという調査結果もあります。

決して「歳のせいだ」と安易に片付けることなく、上記のような症状が複合的に発生している場合は、医療機関に早めに相談しましょう。

※この記事の内容は効果効能を100%を保証するものではありませんのでご了承ください。