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身近な病気となりつつある「うつ病」の症状やその対症療法とは?

 ■現代病と化した「うつ病」

 「うつ病」という病名を聞いたことのない人は居ないのではないでしょうか。
こころの病気として、現代では職場や学校におけるハラスメントと関連させて話題に上ることも少なくありません。

 

うつ病と診断された患者数の推移を見ると、1994年に約43万人であったのに対し、2008年では約104万人と発表されています。

これを見るとうつ病患者が現代は増えている――と考えてしまうかもしれませんが、それは早計です。
うつ病のようなこころの病気というのは、社会情勢や人々を取り巻く環境によって、その病気自体の病理学的な解釈が変わってくるので、一概に患者数の増加が疾患の増加とは言えないのです。

つまり、現代はうつ病だけに限らず、こころの病気が顕在化しやすい状況と言えます。

これは単純な要因によってもたらされるものではなく、産業の機械化、情報機器やSNSの発展、こころの病気に対する意識の発揚、企業のメンタルヘルス対策の深化など様々な要素が複合して、うつ病をはじめとするこころの病気が現代では顕在化しており、結果として患者数が増えていると言えるでしょう。


では、うつ病とはどのような病気なのでしょうか。

「憂うつである」「気分が落ち込んでいる」などと表現される症状を抑うつ気分といいます。
抑うつ状態とは抑うつ気分が強い状態です。
うつ状態という用語のほうが日常生活でよく用いられますが、精神医学では抑うつ状態という用語を用いることが多いようです。
このようなうつ状態がある程度以上重症である時、それをうつ病と呼んでいます。

 「うつ病」の兆候とは……

 そんなうつ病についてですが、前節で紹介した通りに、「抑うつ状態がある程度重症化する」という大まかな症状があります。つまり、うつ病の兆候として、抑うつ状態が続くということが考えられます。
「憂うつである」「気分が落ち込んでいる」という心の状態は誰しも経験があることでしょう。

 

厚生労働省のメンタルヘルス関連サイトを参考に、うつ状態で一般にみられる症状を下記に数例示します。
普段の自分と違う精神状態の変化に気付いたり、周囲の人のいつもと違う様子に気付いたりした時、下記に示す症状が顕著な場合はうつ病の可能性・兆候である可能性があります。

 

①自分で感じる症状

憂うつ、気分が重い、気分が沈む、悲しい、不安である、イライラする、元気がない、集中力がない、好きなこともやりたくない、細かいことが気になる、悪いことをしたように感じて自分を責める、物事を悪い方へ考える、死にたくなる、眠れない

 

②周囲から見てわかる症状

表情が暗い、涙もろい、反応が遅い、落ち着かない、飲酒量が増える

 

③体に出る症状

食欲がない、体がだるい、疲れやすい、性欲がない、頭痛、肩こり、動悸、胃の不快感、便秘がち、めまい、口が渇く

 

このような症状がどれぐらいの時間でどのぐらい当てはまるかどうか、アメリカ精神医学会(APA)の『精神障害の診断・統計マニュアル』の第四版であるDSM-IVの診断基準を参考にして、医学的にうつ病であるかどうかを診断します。

自分が「うつ病」だと感じたらどうすれば良い?

 うつ病は、それぞれの心の病気であることから、絶対的な基準や症状の認識を簡単に行うことはできません。
疾患の性質上、自己診断するのは難しいです。

心療内科等の医療機関を速やかに受診することが望ましいのですが、気持ちの問題と割り切ってしまい、医療機関を受診しないままふさぎ込んでしまい、うつが重篤化してしまう場合もあります。
そうなる前に、臆すことなく医療機関を受診することです。

近年はメンタルヘルスの浸透によって、心の病気に関しても配慮がされるような社会になってきています。
例えば、周囲からそれは「気持ちの問題だ」と言われるようなことがあっても、あくまで自分の心は自分にしか理解できません。

うつ病とは、その自分の心や気持ちが理由もなく、わからない状態で抑うつ状態になってしまうという側面もありますので、「いつもと違うな」「ずっと気分が晴れない」という初期の症状の時点で、医療機関を受診しましょう。

  周囲に「うつ病」の人がいた場合は?

 うつ病の自己診断が難しいように、明確な基準を持ち合わせていない周囲の方々が、それを診断するのもリスクの高い行為であります。
周囲の方々の働きかけが、そのうつ病の可能性のある人にどのように作用するかは人によります。
手助けになれば良いのですが、必ずしもそうはならない場合があります。

ただ、明確に抑うつ状態が長く続いている状態で、医療機関を受診していないような方が周囲に居た場合は、受診を勧めることは必要かもしれません。
勧め方によってはうつ病を悪化させてしまう可能性もありますので、こういった場合も心療内科等適切な機関に一度相談してみることを勧めます。

 「うつ病」に関するまとめ

以上はうつ病に関する大まかな説明になりますが、実際の症状とその要因の解釈は、各々の患者の症例において様々です。一概にこういった症状・症例が顕れるというものではありません。

うつ病に関する議論が行われる際に、具体的な要因を症例数やその割合によって語られる場合がありますが、これが必ずしも正解とはなりません。

あくまで医療機関において、うつ病の症状、要因、症例と言ったものは個々の患者単位で検討されるべきであり、一括りにすることがそう簡単ではありません。

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