気になる臭いの「腋臭症」、その症状やその治療法とは?

【腋臭症の概要を知る!

腋臭症(えきしゅうしょう)は、皮膚のアポクリン腺から分泌される汗が原因で、強い臭いを発する人体の形質です。
ワキガとも言われます。

その形質を持っている人の属する集団によっては、疾患としての扱いを受ける場合もあります。

必ずしも疾患と言い切れないのは、そういった形質があることが社会的に少なくないような社会(国家)であれば、疾患とは認識されにくいからです。

逆に、日本のような社会では腋臭症の方は少数であり、その臭いから忌避されがちなことから、疾患であると捉えられています。

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腋臭症の具体的な症状とは?

アポクリン汗腺によって生じる、わきの下からの強い臭い(ワキガ臭)が主な症状です。
運動時などに出る、エクリン腺からの汗の臭い(汗臭い)とは異なる特有の臭いがあるのが特徴です。

 

その臭い自体を一概に表現するのは難しいですが、発酵食品のような臭い、酸っぱい匂い、土臭い臭い、ネギのような臭いと評されることがあります。

この臭いは、上にも書きましたが、その形質を有する個人の属する集団(社会)によっては、他人に不快感を及ぼすものとして扱われてしまう場合が少なくありません。

さらに、その臭い原因となるアポクリン腺分泌物は衣服に黄色いしみを作り、汗が大量に出る多汗傾向を伴います。

腋臭症の原因は何?

その臭いが発生する原因は、直接的にはわきの下のアポクリン腺から分泌される汗が原因ですが、アポクリン腺の分泌物自体は無臭です。

しかし、その汗が皮膚上に分泌された時に、皮脂腺から分泌された脂肪分やエクリン腺から分泌された汗と混ざってしまいます。

その混ざった混合物が、皮膚や脇毛に常に存在する最近により分解され、いわゆるワキガ臭を発する物質を生み出すと言われています。

 

わきの下のアポクリン腺が成長して活動し始めるのは第二次性徴が認められる頃のため、一般的にワキガ臭が発生するのは思春期以降です。

 

腋臭症の診断はどのように行う?

腋臭症の診断は様々な方法によって行われますが、以下に一般的なものを列挙します。

①耳垢が湿性であるかどうかの確認

耳垢が湿っている(湿性)かどうかを確認します。
耳垢が湿性の場合、耳の中にあるアポクリン腺からの汗が原因であり、体のアポクリン腺も多いとされています。
耳の中にあるアポクリン腺は幼少の頃から発達しているので、ワキガ臭が発生する思春期以前から確認が可能です。
腋臭症の方の耳垢は、ほぼ100%が湿性です。

 

②遺伝的に腋臭症でないかを確認

血族に腋臭症の人がいる場合は、腋臭症の可能性が高まります。

腋臭症は優性遺伝するため、片方の親が腋臭症であると、子の約50%(以上)に、両親が腋臭症であると子の約80%(以上)に遺伝すると言われています。

 

③多汗症と合併していないかを確認

腋臭症では、約60%に多汗症を合併するといわれています。

 

④専門家の嗅覚による判断

腋臭症が考えられる場合に「ガーゼテスト」でレベル診断をします。
これはガーゼをワキにはさんで数分汗ばむ運動(階段昇降など)をしたあと、医師や専門家といった観測者がガーゼのにおいをかいで判定するというものです。

そのガーゼをどの程度、観測者に近づけて臭いを感じるかという程度で、症状のレベルを判断します。

 

特に腋臭症における①、②の診断については生物学的、遺伝学的に既に事実として明らかになっている事象であるので、どちらも当てはまるというようであれば、腋臭症の可能性は確実になります。

 

腋臭症の治療法にはどのようなものがある?

腋臭症の治療法は、保存療法と手術療法に分けられます。

①保存療法(現状の皮膚状態を保存したまま行う治療)

・わき毛処理

わき毛の処理をすることにより、わきに汗などの皮膚分泌物が多量に保持されるのを防ぎます。
また、常在菌が育つ場所が減る事により、汗などの分解量を軽減してワキガ臭も軽減が可能です。

・アルコール消毒

市販の消毒用のエタノール水溶液やイソプロパノール水溶液をわきに塗布して、臭いの発生要因となる常在菌を殺菌する方法です。

その他にも、制汗剤を利用した方法や、汗の分泌を促進させる神経伝達物質のアセチルコリンをボトックス注射によって抑制させる方法などがあります。

②手術療法

腋臭症はその原因がアポクリン汗腺にあることが明らかなので、アポクリン汗腺に直接作用する手術を行うことで症状を発生させなくすることが可能です。
ここでは、メジャーな2つの方法について説明します。

・剪除法
わきの皮膚のシワにあわせ、3センチから4センチほどの切開を1、2本行います。そして、指で皮膚を裏返し、目で確認しながらはさみでアポクリン腺を切り取っていく方法です。最も一般的に行われている手術療法です。

・吸引法

わきの上部を1センチほど切開し、脂肪吸引等に使うカニューレと呼ばれる器具を挿入します。
そのカニューレにより、腋臭症の原因となっているアポクリン腺を吸い出す手術療法です。
これを改良したものに超音波吸引法があります。

 

腋臭症に関するまとめ

現代の日本社会では腋臭症を嫌う傾向があり、その症状に悩んでいる人も少なくありません。
日本では腋臭症は疾患として扱われ、健康保険の適用となる場合もありますが、手術などとなると自由診療のケースが多いのが実情です。

しかし、疾患の原因となっている要素や、具体的な治療法は明らかになっている疾患ですから、医療機関でしかるべき治療を受けることによって確実な治療が見込める疾患でもあります。
腋臭症が気になった場合は、速やかに医療機関を受診することを勧めます。

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