原因不明で起こる「慢性疲労症候群」、その症状やその治療法とは?

 <慢性疲労症候群の概要を知る!>

慢性疲労症候群は、原因不明の強い疲労が長期間継続する病気です。
一般的に6ヶ月以上その疲労が続くことが診断基準となります。

 

身体と精神、両方の激しい疲労と、それに伴って日常生活が著しく阻害されることが主要な症状です。
しかし、慢性疲労症候群の原因や疾患の中身は病理学的に完全には定義されておらず、日々最新の研究が報告されているような現状です。

 

<慢性疲労症候群の具体的な症状とは?>

上に挙げたように、慢性疲労症候群の症状は原因不明の強い疲労が6ヶ月以上続くというものです。
疾患名から誤解されがちですが、単純な疲労が蓄積した慢性疲労とは異なります。

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慢性疲労が続く状態――とも誤解されがちですが、慢性疲労症候群はあくまで原因が不明にもかかわらず強い疲労感が続くというものです。症状にこれといった疾患特有の特徴はなく、他の病気と混同されてしまう場合も少なくないようです。

 

 <慢性疲労症候群はどうやって診断する?>

慢性疲労症候群の診断方法は、この疾患を語る上で重要な部分です。
症状が他の疾患と混同されがちな点、単なる慢性疲労の延長線上と捉えられがちな点、また疾患が発生するメカニズムが病理学的に明らかになっていないため、その診断にはプロセスを要します。

 

慢性疲労症候群の診断は、6か月以上持続、または短いスパンで再発を繰り返す疲労を認めることを前提として、問診票を用いた症状診断と、臨床検査による除外診断(他の疾患によってその症状が出ていないかを確かめる)を組み合わせたもので行われます。

 

その継続している原因不明の疲労の度合いによって日常生活に支障がある場合は、慢性疲労症候群の可能性が高いと言えますが、具体的にはPS(パフォーマンス・ステータス)値と呼ばれる指標によって判断します。

PS値0……倦怠感がなく平常の社会生活ができ、制限を受けることなく行動できる。

PS値1……通常の社会生活ができ労働も可能であるが、疲労を感ずるときがしばしばある。

PS値2……通常の社会生活はでき、労働も可能であるが、全身倦怠感のため、しばしば休息が必要である。

 

PS値2以下の場合は、日常生活に支障が出ているとまでは判断されず、除外診断の結果にもよりますが、慢性疲労症候群の可能性は低くなります。

 

PS値3……全身の倦怠感のため、月に数日は社会生活や労働ができず、自宅にて休息が必要である。

PS値4……全身の倦怠感のため、週に数日は社会生活や労働ができず、自宅にて休息が必要である。

PS値5……通常の社会生活や労働は困難であり、軽作業は可能であるが、週のうち数日は自宅にて休息が必要である。

PS値6……調子の良い日には軽作業は可能であるが、週の50%以上は自宅にて休息している。

PS値7……身の回りのことはでき、介助も不要であるが、通常の社会生活や軽労働は不可能である。

PS値8……身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、日の50%以上は就床(ベッドなどで横になっている状態)している。

PS値9……身の回りのこともできず、常に介助がいり、終日就床を必要としている。

 

PS値3以上の場合は、社会生活を継続するために休息が不可欠な状況で、この疲労の原因が不明であり6ヶ月以上も続いているとなると、慢性疲労症候群の可能性が高くなります。

 

また、慢性疲労症候群の検査には血液検査などの客観的指標を求めていませんが、近年ではこういったアプローチから診断を進めようというプロジェクトもあります。慢性疲労症候群の病理学的な解明も含め、進捗が待たれている状況です。

 

<慢性疲労症候群の原因は?>

慢性疲労症候群の原因は上に挙げたように病理学的に解明されていないのが実情ですが、免疫系、神経系、分泌系、遺伝子系、ウィルス系などさまざまな側面から分析が進んでいます。

また近年ではストレス要因(ストレッサー)やアレルギー、心理学的な障害などが影響しているのではないかという学説も研究・発表されています。

<慢性疲労症候群と診断された後、どのような治療を行う?>

慢性疲労症候群の治療法は、大まかに分けると投薬療法とそれ以外です。

 

<投薬療法>

①全身倦怠感などに作用する漢方薬

②抗うつ剤・抗不安剤など

③抗アレルギー剤

④ビタミン・ミネラル系の栄養補助剤

 

<それ以外の治療法>

①温熱療法で新陳代謝を向上させる

②アロマテラピーなどによるリラックス効果を導入

③PS値に応じた無理のない適度な運動

④認知行動療法(病気を悪化させる可能性のある活動や行為を、どのように調整したらいいのか学習する)

 

決定的な治療法は確立されていないものの、これらの治療法を患者一人一人のPS値に沿って無理のない範囲で実行することによって、症状の改善が見込めます。

 

<慢性疲労症候群に関するまとめ>

慢性疲労症候群は複雑な疾患であり、またあまり認知度が高くないことによって他の疾患と混同されがちなのが現状です。

風邪やインフルエンザなど既知の疾患をきっかけとして、病理学的には疾患が解消した後に原因不明の疲労感が続くという発症パターンもあります。単なる疲労の蓄積ではなく、長きに渡って強い疲労感が続く場合には、慢性疲労症候群の可能性を考慮して速やかに医療機関を受診することを勧めます。

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