痛風・高尿酸血症の治療方法とは
治療は3段階に分けられます。
痛風の治療は、
- 痛風発作に対する治療
- 尿酸コントール初期治療
- 尿酸コントールの生涯治療
痛風発作に対する治療
第一段階の痛風発作に対する治療は、発作時の痛みを和らげるための治療で、薬物治療が中心です。
服用する薬には、前兆が見られるときと発作が起こっている時に飲む2種類あります。
コルヒチン
一度発作を経験すると、次に発作が起こりそうなときには、前兆を感じるといいます。
足の親指がむずむずしたりビリビリしたりします。そういった前兆段階で用いる薬がコルヒチンです。
コルヒチンは、痛み止めの薬ではなく、白血球が尿酸ナトリウム結晶を攻撃するのを抑制する薬です。
この薬は、痛みが生じてから飲んだのでは、効果が十分でないことがありますからなるべく前兆を感じた時に1錠だけお飲みください。
非ステロイド系抗炎症薬
痛風発作が起こり、激痛に襲われたときは、炎症を抑えて痛みを取り除くために非ステロイド系の抗炎症薬を服用します。
痛風発作時に使用されるは、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、フェンブフェンなどです。
これらには正しい服用として3つの原則があります
- 発作が起きたら、なるべくはやく最大常用量を服用する。
- 発作の最中には尿酸降下薬は中止する
- 炎症が治まったら非ステロイド系抗炎症薬は中止する
この原則を守って服用すれば、大部分の痛風発作は治まります。
非ステロイド系抗炎症薬は、服用に際しては、医師の指示を必ず守らなければなりません。
一般的には効果が強い薬ほど副作用も強く、腎障害の人が非ステロイド系抗炎症薬を服用することで機能を低下することもあります。
そうならないためにも使用前に医師に相談してください
間欠期の治療
痛風発作の症状も痛みも治まった時期を間欠期といいます。
ここから本格的に高尿酸血症の治療をする時期でもあります。
高尿酸血症の治療の基本は、尿酸値を適切な値にコントロールすることにあります。
尿酸値を正常に保つことは、痛風発作や腎機能障害を防ぐことでもあるのです。
間欠期の治療は、発作が治まってすぐではなく、しばらく時間をおいてから開始します。
理由は、発作が治まった直後に発作の最中に一気に尿酸値をさげてしまうと、また新たな発作を起こしてしまう危険があるからです。とはいえ間欠期でも徐々に下げていかなければなりません。
間欠期の治療をまとめると
- 抗炎症薬やコルヒチンは、使用しない
- 尿酸は一気に低下させず、3~6か月かけてゆっくり低下させるようにします尿酸降下薬は少量から開始します。
- 尿酸のコントロールは障害必要。コントロールがうまくいかないと痛風結節や腎障害、虚血性心疾患などの合併症を引き起こす可能性が大きい
治療を開始したら、治療効果や薬の副作用を調べるために定期的に検査を受ける必要があります。
尿酸値をコントロールする薬とは
尿酸値を下げる薬を総称して尿酸降下薬といいます。
高尿酸血症には、尿酸の排泄がうまく行われない「尿酸排泄低下型」と尿酸が過剰につくられてしまう「尿酸産生過剰型」そして両者の特徴を合わせもった「混合型」があります。
尿酸排泄低下型に尿酸排泄促進薬,尿酸産生過剰型に尿酸生成抑制薬を選択します。
また混合型の場合は合併症をなども考慮しながら医師がどちらの薬が適切か判断します。
- ベンズブロマロン(尿酸排泄促進薬)
作用が強く、服用初期には尿酸値が急速に低下することあります。
尿中への尿酸の排泄を促進して尿酸値を正常化させます。
副作用は尿中の尿意量が増えるために結石ができやすくなります。
- プロベネシド(尿酸排泄促進薬)
この薬は古くから使われています。
ベンズブロマロンの約20分の1の尿酸排泄作用になります。
1日2回複勝します。
副作用は、抗生物質と併用すると抗生物質の排泄を遅らせる作用があります。
- アロプリノール(尿酸生成抑制薬)
尿酸を過剰に作れる人だけでなく、腎機能が低下している人、腎結石や尿路結石などを合併している人、尿酸排泄新薬を使用しても尿酸の低下が不十分な人に使われます。
副作用は、まれに軽度の腎障害、薬疹がでる。
これらの薬は、1日の忘れると、翌日は尿酸の濃度が急上昇する。規則正しく飲むことが大事、薬を飲み忘れたからといって翌日に2日分をまとめて飲むのは絶対してはいけません。
定期的に検査を受けましょう!
尿酸値や合併症は大丈夫か定期的に検査を受けましょう。
また新しく飲み始めた薬は、あっているどうか確認するために、半年は月1回、その後は数か月に1回程度は検査をうけましょう